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君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

コペル君の立場に立つか、おじさんの立場に立つか、自身の年齢により入り口が異なるだろうと思われる作品。

これはもう一度読む。だから内容に関して考えを展開するのはこの場ではよしておく。

ただ、僕はコペル君の立場で作品を読んだし、時におじさんからの教えに感心しながら読み進んでいた。

精神年齢が低いのだと笑われそうだけれども、人類の進歩という系譜に位置づけた歴史の流れの中にある自分、という視点は持っていなかった。

倫理的情熱という点も忘れてはいけない。

年を重ねると、いやそれはあくまで僕の視点なのだけど、物事に対して距離を置くようになる。

どのように対処すべきか、なんとなくである程度できてしまう。

当然、そう思えているのは一部だけなのであるけれども、日常というのはある一定のことの繰り返しであり、ある程度できてしまうことが、大部分なのだ。

そのため、無味乾燥した心持ちになっていく。

そうしたことが繰り返され堆積し、世界と僕との関係が、適度な距離感が保たれた、無味乾燥的なものになっている気がしている。

 

それに対して、コペル君の世界は全てが瑞々しい。

僕はこの点をよくよく考えないといけない。

年を重ねて、ある程度できてしまう、だなんて達観した境地には到底いないはずだ。

世界から距離を取って、安全地帯をうろうろしてたまに不満を言ったり不安になっているだけの、卑怯者になってやしないか。

 

人はいかに生きるべきか、という命題はソクラテスまで遡ることができるほど、人間にとって本質的な話だ。

僕はこのことをよくよく考えないといけないんだ。