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過ぎ行く日々を少しでも。

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最近の読書

ドナルド・トランプが大統領に就任してから次々と大統領令に署名をしてはニュースになる。

27日にはテロ対策としてイスラム教7カ国からアメリカへの入国を禁止する(永住権を持つ人も対象になる)大統領令に署名し、大混乱が発生している。

NY連邦裁判所が一部を執行停止にしたと報じられているが、混乱は続いている。

大統領に就任すればもっと現実的な言動になると思いきや、トランプ節は変わらず続く様子である。

 

トランプの就任を待たずしても、国際情勢は常に動いており、歴史や国際政治などの教養が皆無な僕ではあるけれど、少しでも見る目を養わなければ、世の中からぽかんと置いてきぼりをくらうことになる。

まず手にしてみたのは佐藤優氏の以下の本。

地政学的な観点から主要国の戦略を読み解き鋭く考察している。

密度の濃い内容で僕にとっては難易度が高く、細かく頭に残らないので再読が必要だ。。

この中でアメリカについては海洋国家という視点を持ち、海洋国家ならではの、大陸とかかわりを持つか持たないかという選択肢があるといい、アメリカは孤立主義に回帰しこれまでの大陸との関わり方を見直し、内向きになっていくと読み解く。

エマニエルトッドの論を引用し、アメリカの民主主義は外部をもたないと成立しないことに触れている。なるほど、今まさにヒスパニック系の移民やイスラム教徒を”外部"として見出し、白人の貧困層に訴えかけているのがトランプなのだ。

新自由主義がもたらした経済格差の拡大、社会的流動性の低下、庶民の生活レベルの低下、そうしたことが土壌となり、アメリカ国民のマグマがトランプ大統領誕生の原動力になっている。

この流れはヨーロッパでも見られるのは周知の通りで、イギリスがEUを離脱したのも移民による問題であり、国民の感情が主たる理由だ。

フランスでも極右政党の支持が拡大されていたり、次にEUを脱退するのはイタリアか、とも言わる情勢であったりと、各地でナショナリズムの機運が高まっている。

 

…と少々脱線したが、本書ではドイツ、ロシア、中東、そして中国についてもそれぞれ触れており、参考書物と一緒に紹介されているので、本書でエッセンスを学び、参考図書に足を運べるようにもなっている。

 

各国の出来事が相互影響しながら物事が進んでいっていると思うのだが、やはりアメリカの影響力は大きく、その新しい大統領であるトランプ氏は過激な言動で注目を集めるのに事欠かない。

少しでもトランプ政権を知りたいと思い、興味本位で手に取ったのはこの本だ。

総力取材!  トランプ政権と日本 (NHK出版新書 509)

総力取材! トランプ政権と日本 (NHK出版新書 509)

 

僕は視聴していないのだが、すでにNHKで放送された特集があり、そこで描ききれなかった取材内容やその後の情勢を付け足して出された本書。

実際の取材、インタビューが掲載されていることで、どうしてトランプ氏が支持されたのかを、納得して読むことができた。

今まで政治的にもスポットライトがそこまで当たってこなかった、いわゆるブルーカラーの人たちが、雇用を失い翻弄されてきた姿や、学生たちが当時サンダース氏の言葉にどれだけ期待をしたか、あるいはメキシコの国境付近で何が起きているのかなど。

 

トランプ氏に近い周囲の人々や、著名人らのインタビューも多く掲載されている。

その中で、アメリカの政治学者であるイアン・ブレマー氏の言葉が印象に残る。

トランプは、アメリカの価値観を世界に広めることを望んでいません。世界とアメリカの関係を、その場の利益に基づくものにすることを望んでいます。(中略) 何であっても、得になればよいと考えているのです。トランプが熱心に取り除こうとしている事柄こそ、アメリカの世界的リーダーシップの中核となっていたものなのです。残念ながら、アメリカに代わってその役割を満たす国も、他の一連の価値観も存在しません。

 

今日の貿易を否定し、強引に二国間協定の手段を取ろうとすること。

よりアメリカ国内に投資し、アメリカ人の雇用を増やすこと。

シンプルではあるが、ではそれで国内の経済が豊かに循環するのか、というのは疑問だ。

世界は互いに繋がり相互作用しつつ歩んできた。移民の労働力があって今の生活が支えられている。

それを政治の力で強引に変えるのは、大きな反作用を生み、アメリカ経済に悪影響をきたすのではなかろうか。

二項対立で物事を見ているのだとしたら、それは危険なことであるはずなのに。

 

日本においては、アメリカとの貿易関係も、国防のあり方も、様々な点で見直しが迫られるのであろうし、国際社会における日本のプレゼンスというのも、変容していくのだろう。

もっとニュースに触れなければ。