5点
英語が5点足りなかった。
発表日前からソワソワしていた。点が伸びているかもしれないという期待半分、言うほど変わってないだろうなぁという諦め半分。
結果的には伸びていたが、目指していたボーダーまでの点数から5点足りなかった。
これが何ともリアルである。
まず伸びていたことに対する喜びはある。
あ、おれ力付いてるんだ、という素朴な喜び。
一方で、0か1かで言えば未だ実力不足だという現実を改めて突きつけられる。
いや、改めて突きつけられるという表現はおかしい。そんなもの毎日食らっているのだから。
目指すボーダーというのは海外出張のボーダーだ。
初めからわかっていた事として僕の英語力は客観的に乏しい。
でもいざ入ってみて出来ないながらもやっているとある程度できるじゃんという慢心から手を抜き始めるところがあって、いやいや待て待て手を抜くどころが俺は最も出来ないのだという現実を華麗に忘れ去ろうとしてしまうクセがある。
だから、ではないが、あとから入ってきた新人が先に海外研修へ行くことになり、いやそれは当然なのだが、彼にはその資格があり俺にはその資格がない、ただそれだけなのだ。
くやしいと思うか?
ああ、確かに思う。
だから俺はそのボーダーをクリアしなくてはいけなくて、なるべくその勉強に時間を割こうとしている。でも日常の惰性に引き戻される、というのはいつものクセだ。
この5点はその結果でもあるのかもしれない。
てひこの5点を取れば後はハッピーか、というとそういう訳ではない。この5点を取った上のスタートラインなのだから、俺の未熟さ足るや、というところなわけだ。
どうのこうの垂れる話ではない。
これに努力し苦心した先輩方を知っていればこそ、僕がまずそれを越えて、更に前へ進むのは当然の理であるはずで。
そんなことを帰りの電車の中で思う。