日本の将来像
もっと広く議論されて欲しい視点。
東京都知事選 「脱原発」という争点を巡って 原発と核兵器技術の保有はコインの裏表~岩上安身による京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏インタビュー 全文掲載 | IWJ
エネルギー政策をどのように進めるかは、特に資源が少ない国にとって、その国の未来に密接に関わっている重要な事柄だ。
いつかぞや考えたように、将来日本がどのような国になっていくべきかを定めるための、源でもあるテーマだ。
安定した電力の供給のために原発は必要であり、安全保障的にも核技術は引き続き保守する必要があり、また雇用の面でも原子力産業を無くなることは難しい、そうした判断があり、原発再稼働を必要とする安倍政権、という見方をする。
一方で、敗戦の教訓から核の力は放棄し、日本は平和戦略を突き進むべきであるという見方。
前者には、世界には武力が必要であるというリアリティがある。
後者には、国際社会と人類の理性に身を委ね、進んで平和の道を歩むべきだという理想がある。
日本の隣国には物騒な国がいる、これもまた事実だ。
日本から戦争を起こすようなことは無いと信じたいが、隣国の驚異が消えない限り、安全保障の問題も薄れないのだろう。
自分の身は自分で守るか、日米同盟と国際社会に守ってもらうか、もしくは第三の道を模索するか。
現実に生きるか、理想に捧げるか、だ。
そういう意味では、ある意味シンプルなのかもしれない。
伝統を守り、築き上げてきたものを保守するのか。
伝統に挑戦し、革新のため新しい世界へ踏み出すか。
いわゆる、右か左か。
保守派から見れば、無謀であり博打であり非現実的であると言うかもしれない。
リベラル派から見れば、自由の束縛であり進歩の妨げであると言うかもしれない。
ここで少し視点を変えてみる。
少子化と高齢化は進行し、日本の国力は衰えるんだろう。
経済的に国内市場はこのまま縮小傾向だろうし、移民政策が活発になる見込みは少ない。
必然的に働き手が減少し、企業は海外が主戦場となって、GDPは右肩下がりだ。
社会保障を支える基盤が弱体化し、秩序が乱れ、国債は暴落しデフォルトに至るという、混沌とした社会が日本を待っているかもしれない。
一般的に悪い想像をするとそんなイメージを持つ。当然、何も手を打たなかった場合だ。
(いや、もしかしたら第三の日本がデフォルト後に誕生するのかもしれないけど。)
とにかく、そうした消極的な要素をすっかり受け入れ、だからこそ競争の場か身を引き、核と兵器からは手を切り平和主義の路線を歩む。
これは、三酔人経綸問答の中で紳士君がいつか言った道だ。
私は早くから絶望しすぎているだけなのかもしれない。
まだまだ議論が必要だ。
ただ、原発問題は、将来どのような日本像を当人が持っているのか、という問題とは切っても切り離せない問題であることには間違いない。